う蝕リスクの高い小児(6−16歳)におけるう蝕予防ガイドライン SIGN No.47

− スコットランド大学間ガイドラインネットワーク 2000  -

根拠
の質
内           容
一次
予防
う蝕のリスク評価
歯科治療の前に明示的なう蝕リスク評価を行う必要がある
以下の要因は、う蝕リスク評価の際に考慮すべきである
・過去における疾患の臨床知見
・食習慣、とくに砂糖を含有する食品と飲料
・社会的な履歴、とくに社会経済状態
・フッ化物の使用状況
・プラークコントロール
・唾液の性状
・医学的既往
ハイリスク小児の
行動の修正
介入手段が有用である旨の教育的アドバイスをチェアサイドで親に提供すべきである
小児は1日2回、1000ppmのフッ化物が配合された歯磨剤で歯をみがくべきである。
歯磨剤は吐き出すべきで、うがいすべきではない。  <注1>
砂糖を含む食品・飲料の摂取は食事時のみとすることを勧めるべきである。
親への食餌指導は、非砂糖含有甘味食品・飲料、とくにキシリトールの使用を
奨めるべきである。
もし受け入れが可能であれば、親には砂糖が含まれていないチューインガム、
とくにキシリトール含有ガムを勧めるべきである。
臨床医はいかなるときでも砂糖が含まれていない薬剤を処方すべきであり、
処方が必要でない薬品でも砂糖が含まれていない形が推奨される。
ハイリスク小児の
歯の保護
う蝕リスクの高い小児には、小窩裂溝にシーラント処置を行い、これを維持すべきである。
シーラントの状態は、定期的なチェックにより評価すべきである。
グラス・アイオノマー製のシーラントはレジン製のシーラントが不適切な場合のみ使用されるべきである。
毎日しゃぶるタイプのフッ化物錠(1日1mg)は、う蝕リスクの高い小児に対して考慮すべきである。
フッ化物バーニッシュ(Duraphat)は、う蝕リスクの高い小児に年4回行う必要がある。
クロロヘキシジンのバーニッシュは、う蝕予防のオプションとして捉えるべきである。
二次
予防
う蝕の診断
咬翼法によるX線撮影は患者が最初に行う必須の検査として推奨される。
その後に行うX線診査の頻度は、患者のう蝕リスクによって決まる。
う蝕病変の管理 咬合面
う蝕
裂溝(fissure system)の一部に限局性の小〜中程度の象牙質う蝕病変が存在する場合、選択すべき治療法はコンポジットレジンのシーラント(による修復)である。
う蝕が臨床的に象牙質まで拡大している場合、う蝕象牙質は除去され、修復されるべきである。
アマルガムは有効な修復材料で、多くの臨床の場における選択肢として残されている。アマルガムが全身の健康危害を及ぼす点については、何の根拠もない。
隣接面
う蝕
隣接面う蝕がエナメル質内に限局している場合には(X線または視診)、
修復処置よりもフッ化物バーニッシュなどの予防的ケアが推奨される。
修復処置を必要とする隣接面う蝕では、トンネル形成よりも古典的なII級窩洞形成を行うべきである。
再修復
二次う蝕の診断は非常に困難である。
活動性の疾患に関わっている明確な根拠は再修復を行う前に確認するべきである。

推奨度、根拠(エビデンス)の質に関する記述

推奨度 根拠の質
内   容
A
Ia
ランダム化比較対照研究試験(RCT)のメタ・アナライシスによって得られた根拠
Ib
少なくとも1つ以上のランダム化比較対照試験(RCT)によって得られた根拠
B
IIa
少なくとも1つ以上のよくコントロールされたランダム化されていない研究によって得られた根拠
IIb
少なくとも1つ以上の他のタイプのよくデザインされた類似実験研究
III
横断研究、地域相関研究、症例研究などのよくデザインされた非実験研究によって得られた根拠
C
IV
専門委員会の報告や意見、熟達した権威者の臨床経験によって得られた根拠