●歯の白さのメカニズム解明 エナメル質の光散乱性が歯の白さコントロール 03/15/2003

ホワイトニングブームですが、なぜ白くなるか?実は、まだ解明されていません。花王の研究所から新たなる研究成果が報告されました。やはり、ホワイトニングはブリーチング(漂白)とは違うメカニズムのようです。

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 花王のヘルスケア研究所は歯の白さの仕組みを解明した。エナメル質の小柱間隙の光散乱性が歯の白さをコントロールするカギであることを解明するとともに、ある種の有機酸とフッ素を作用させると歯が白くなる現象を発見した。

 歯は黄色がかった象牙質のうえに半透明のエナメル質が被さる構造になっている。エナメル質は幅が5マイクロメートルのエナメル小柱とよばれる微細な筒状の物質と物質のすき間を埋める物質(小柱間隙)からなる。小柱間隙は0.1マイクロメートル程の隙間層で、たん白質やリン酸カルシウムなどを成分にしている。

 歯は象牙質の色が透けて見えないほど白さを増すが、同研究所では共焦点顕微鏡解析と光学シミュレーションにより、小柱間隙の光の屈折率でエナメル質の光散乱性(歯の白さ)が決まることを突き止めた。エナメル小柱と小柱間隙の屈折率の差が小さく光の散乱性が低いと、内部の象牙質の色を透過して歯が黄色く見えるという。

 また、歯磨き剤に有機酸の一種とフッ素を配合すると、小柱間隙で作られたフッ化カルシウムによりエナメル質の光散乱性が上がることを確認した。同研究所では、有機酸などを作用させることで小柱間隙にフッ化カルシウムが生成されてフッ化カルシウムの生成で小柱間隙の屈折率が下がるためと想定している。

 黄ばんだ歯は小柱間隙とエナメル小柱の屈折率差がほとんどないが、白い歯では小柱間隙の屈折率がエナメル質の屈折率より低いため、光が散乱して象牙質を見えにくくする。 有機酸配合フッ素歯磨剤と汎用フッ素歯磨剤を比較した4週間の実使用試験では、有機酸配合の方が試験対象人数のうち約3倍の比率で白色化が認められ、被験者の約40%の歯が白く見えるようになったという。今後、研究結果を生かし光散乱性を高める歯磨き剤を開発する。

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